180mm ホルダー, ND1000 / Canon 5D III, Canon 11- 24mm @13mm, f/16, ISO 200, SS 102秒

キルキュフェットル滝の日の出 – アイスランド・スナイフェルスネス半島

縦横線は調和、対角線は動感、曲線は優雅で高尚な印象を与える

これはアイスランド西部のスナイフェルスネス半島(Snaefellsnes Peninsula)にあるキルキュフェットル滝(Kirkjufell Foss)で、アイスランドに来た写真家は必ずここを訪れる。それはキルキュフェットル山と迫力ある滝もさることながら、その中間に位置する巧みな地形が美しい構図を形成し、情緒的な場面を作り出しているからだ。実に自然の神業だ。景色と構図の面で、これらの特質を十分に表現できるようになると、完璧に美しい風景写真を撮ることができる。

穏やかなキルキュフェットル山と、ドウドウと流れ落ちる滝は「静」と「動」の強烈な対比を形成し、この対比は見る人に「動中の静」、「静中の動」を感じさせる。同時に、画面の中心にキルキュフェットル山を置き、山のバランスと安定感を強めつつ、興味を惹きつけるポイントにしている。滝や川が形成する曲線は、躍動感を示すと同時にキルキュフェットル山を包囲し、この囲み構図は写真全体の安定感を演出している。キルキュフェットル山と滝、この両者は互いに名所の特色を持ち、どちらが主でどちらが副であるかということは、写真家が見る者の想像に委ねている。

変化の多いアイスランドの天気は写真家に無数の驚きをもたらす。太陽が出た時、柔らかい光の下に雲の動きと色彩が浮かび上がったので、ND1000を用いて移動する雲の軌跡を取り込んだ。雲はキルキュフェットル山から外へと散っていき、写真に動感と奥行きを加えている。この写真は全体として四つの動静の交わりで成り立っている。ダイナミックな雲、悠然と座るキルキュフェットル山、左から右に流れる滝と水の流れ、そして支えになる静的な草地の絨毯である。

線は構図の中で非常に重要な視覚効果を生む。例えば縦横線にはバランスや安定、調和の作用があり、対角線には動感、立体感と奥行きを与える作用があり、曲線は優雅で高尚な印象を与える。この作品にも線が溢れている。雲の対角線、滝の縦線及び川の曲線によって、それらが混ざりあった視覚効果を楽しんでもらうことが出来る。

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