1839年、世界で最初のカメラがフランスで発明されました。この世界のありのままの姿を記録する他に類を見ない技術として写真は誕生したのです。
1975年、当時コダックのエンジニアだったスティーブン J. サッソンは、世界初のデジタルカメラを発明しました。彼の理念は「デジタルカメラのファイルに残るのは単なるデータではなく、人々の記憶である」というものでした。
私は、世界初のカメラが誕生してから180年経った今、このアートブックの序文を書いています。現代において、写真は人生の瞬間を記録するツールであるだけではなく、世界の美しさを発見し表現する手段でもあります。自然の絶対的な美しさは人類への究極の贈り物であり、永遠に大切にされるべきものだと信じています。私たち写真家は、夜明け、夕暮れ、黄昏の光を捕らえるために世界の端まで旅をします。そしてこの光の描写が、私たちの心が感じた自然の美しさのすべてを表現できることを望んでいます。この地球上のあらゆる場所と時間で、世界中の写真家が収めてきた素晴らしい光景を目の当たりにできることを、私は大変な名誉だと感じています。
この本には、世界中の写真家から集められた芸術的な風景写真が収められています。限られた制作時間やスペースの関係で、掲載できなかった写真も多数ありましたが、この場を借りて皆様にお礼申し上げます。
最後になりますが、NiSiの発展を支えてくださっている全ての写真家へ感謝の気持ちを伝えたいと思います。あなたの貢献によってNiSiは支えられています。これからも光を捉え、海の音を聞き、山頂から空に触れ、この大切な瞬間を写真に残して行きましょう。
2019年1月3日
NiSi創始者